「あ、椎乃ちゃん?」
帰り道、突然声をかけられた。
「ふぇっ!?って…洸のお母さんじゃないですかっ…!」
目の下にくっきりとしたクマをつくっている洸のお母さんがいた。
「久しぶりね、最近椎乃ちゃん病院に来ないから洸が寂しがってるわ。」
本当椎乃ちゃんの事好きなのよ、あの子。
と付け足す。
…え……
「ま、まだ入院してるんですか…?」
「あら、知らなかったの…?」
それって…
検査の結果が悪かったとか、じゃないよね?
そんなわけ、ないよね?
「あの子まだ言ってないのね…。あのね、ガンがね…肺に転移してたのよっ…」
