俺はあれから、どうやって医局に来たのか覚えていない。
歩いてきたには違いないんだろうが。
その記憶が全く・・・・・・・。
検査をしている時の実加の不安な顔。
あれはどうとっていいのかわからず、ソワソワしていた。
俺となんの関係も持っていたくないのか。
それとも、俺を兄としてしか見ていないから、兄妹であって
ほしいと思っていたのか。
検査の後、俺はもう気持ちを我慢することができず、実加に気持ちをぶつけてしまった。
結果まで一週間あるというのに。
でも、思いもかけない言葉が帰ってきた。
俺は、耳を疑った。
実加が、俺を好き・・・・・?
こんな歳の離れた俺を。
俺はそのあと、思いが膨らみ・・・・・・・・。
それから覚えていない。



