「はぁはぁはぁはぁはぁ、ヒッ。
はぁはぁはぁヒッ。」
呼吸が荒くなってしばらくすると、突然、過呼吸で苦し始めた。
何か思い詰めていたのか、涙が止めどもなく流れている。
実加は深呼吸しようとするがうまくいかない。
目の前にある枕で口を塞いだが、苦しくなる一方で、顔面真っ赤になっている。
ガラッ
そこに青木先生が部屋に入ってきた。
「実加ちゃん、落ち着こう。
大丈夫だよ。ゆっくり長く息を吐いてー。
はぁーはぁーはぁー。スースースー。」
苦しくなった実加は体を起こす。
青木先生は実加の両肩を掴み、呼吸を教える。
実加は青木先生の白衣を強く掴み、顔を布団にうずめるが、過呼吸が続いている。
「ほら、下を向いたら余計に苦しいよ。
大丈夫、ゆっくり長く息を吐くよ。」
すでにナースコールで呼ばれた看護師がマスクを持ってやってきた。
青木先生の処置で、実加の過呼吸は数分するとおさまっていた。
実加は疲れたのか、グッタリとして仰向けになっている。



