医局のデスクで椅子に座りながら、右手を見つめているのは斉藤先生。






昨夜の実加の頬の感触、忘れられないほど柔らかく、あのまま抱きしめてやりたいと思った。
まさか実加に手を包まれるとも思わず、あの時は、ホント心臓が張り裂けそうだった。
なんとか気持ちを取り直して出た言葉が、DNA検査のことだった。
あれから考えてくれただろうか。