その晩、斉藤先生は寝不足となった。
翌朝、昨夜の工藤の話を青木先生に話した後、ナースステーションにいる師長の元へ向かった。




するとそこには、私服姿の工藤が師長のそばにいた。




「斉藤先生、青木先生、本当に申し訳ありませんでした。」
「申し訳ありませんでした。」




師長に続いて、隣にいた工藤が頭を下げた。



既に、工藤が話したようだ。



「今回の件で、彼女は別の病院にうつる手続きをしました。
そして再び、看護学校での研修を1ヶ月受けさせます。
本当に申し訳ありませんでした。」



「師長、頭を上げてください。


工藤さん、あなたは看護師です。看護師である前に、一人の人間だ。
この先、絶対に、人を傷つけるような軽率な行動は慎んでもらいたい。」



斉藤先生が工藤の目を見て言う。




「はい、このたびは、申し訳ありませんでした。」



と頭を下げた。




そして、工藤は実加ちゃんに謝りたいと言ったが、今はまだ胃の状態が良くないので、実加に会うことを断った。



「いつか、実加が心も体も成長した時、また実加に会ってあげてくれ。
工藤さんの気持ちは、俺から伝えておく。」




そういうと、工藤は頭を深く下げ、師長に連れられて、ナースステーションを後にした。