ガラッ
「すいません、師長。」
斉藤先生が部屋に入ってくると、実加の処置をしていた師長が顔を上げる。
「今は落ち着いてきて、痛みも和らいできたみたいです。」
師長は立っていた場所を斉藤先生に譲り、状態を報告する。
斉藤先生は素早く実加の腹部を押して、痛みを確認する。
胃を押さえると、実加は斉藤先生の手を押し上げて抵抗する。
どうやら胃が痛むようだ。
聴診をして、血圧を測り終えると、部屋にいつの間にかいた工藤に鎮痛剤を持ってくるように指示する。
工藤は真っ青な顔で、斉藤先生の指示どおり部屋を出ていく。



