ナースステーションでの工藤の様子に違和感を感じたことから、実加の病室を訪ねる。
ノックをしても返事がない。
病室に入る。
布団に包まった実加がいる。
布団を少しのけて、顔を見る。
額にはひどい汗。
布団を全部めくると、腹部を抱えるように体をくの字にさせて苦しんでいる姿の実加。
すぐにナースコールをして医師を呼ぶように指示する。
「実加ちゃん、痛いね。もう大丈夫だよ。
どの辺が痛むかな?」
実加は薄く目を開け、目の前にいるのが工藤ではないことを確認すると、堪えていた涙がポロポロとこぼれ落ちた。
歯を食いしばり、顔に力を入れて痛みに耐えている。
「く.......、ぃたい。
はぁはぁはぁ。」
腹部全体を押さえる。
「ゆっくり呼吸するよ。」
指示されたとおり、実加は大きく胸を動かし、深呼吸する。
呼吸が落ち着くと、痛みが減ってきたのか、体を伸ばす。



