車から出てきたのは看護師の工藤彩。 院長自宅のインターホンを鳴らし、玄関に入る。 ここが斉藤先生の暮らす家。 豪邸だわ。 しかし、あの小娘。 面倒くさいことさせて…。 実加は院長外に出てくると、工藤の車に実加を乗り込ませた。 「風邪治ったら、見舞いに行くからな。 実の言うことをちゃんと聞いて、早く治すんじゃよ。」 実加は最後の別れかのような顔で院長を見つめ、頭をコクリ下げた。 実加乗せた車は、すぐに病院へ向かった。