院長が部屋で斎藤先生との電話を切り、リビングへ向かうと、実加は氷枕やキッチンに放置されている食器を洗ってるところだった。





「ゲホッ、実加ちゃん!ダメじゃよ。迎えが来るから、それまで座って、ゲホッ、なさい。」




咳き込みながら実加に声をかける。
キッチンにいる実加は最後のお皿を拭く終わると、院長のそばにやってきた。





「わしなら大丈夫じゃから、わしのそばに寄ったらいかん。
ソファに座ってなさい。」




「……………ごめんなさい。」





「謝ることはないよ。
来てくれてありがとうな。
退院したら、看病しておくれ。」




「はい!」




実加は嬉しそうな顔で院長を見上げた。





しばらくすると、院長の自宅にお迎えが来た。