二人が出て行った30分後。
思い立ったかのようにベッドから突然、実加が降り、壁に備え付けられた小さな棚を開け、私服に着替え始めた。
そしてスリッパのまま病室を抜け出した。





時刻は14時を過ぎていた。
お昼ご飯が終わり、部屋で休んでる人が多いことから、院内の廊下は静かで歩く人はいなかった。





そんな中、スタスタと歩き、エレベーターに向かうと誰にも会うことなくエレベーターに乗った。
1階のボタンを押して扉を閉じた。




実加はエレベーターの中で、何か考えこんでいるのか、ボーっと一点を見つめている。
実加は安静と言われているのに、これからどこに行くのか。
まだ病室に実加がいないことは、誰も気づいていない。!