その頃実加は、病室のベッドの上で体を起こして悩んでいるよう。
すると扉が開き、入ってきたのは看護師の工藤彩と斉藤先生。
「どうだ、調子は?
突然なんだけど、今日から少しの間だけ、三池さんに代わって工藤彩さんが実加の担当になったからな。」
実加は頭を上げ、斉藤先生を見上げる。
「三池さんは、体調崩しておやすみしてるんだ。」
「実加ちゃん、これから少しの間だけど、よろしくね。」
彩が挨拶すると、実加は頭を下げて答えた。
三池に心を開いてきたのに、実加の担当を外れ、違う看護師が来たことで、どうやら実加は再び心を閉じてしまったのか、窓に目をやったきり、斉藤先生と彩を見ようとしない。
しばらくして、二人が出て行った。



