「体の異変には気付かなかった?」
りさのリンパを触りながら尋ねる斉藤先生。
りさはぎこちなく、目のやり場に困っている様子。
「..あ、はい。
斉藤先生に言われて気づきました。」
「そう。ダメだよ~、無理したら。
休むことも大切だよ。
はいっ、少し聴診させて。」
「いえっ!そこまでいいですよっ。」
恥ずかしいのか、必死で断る。
そんなりさをお構いなしに、聴診器を耳に当てる。
「大丈夫、大丈夫。すぐ終わるから。」
手を伸ばす斉藤先生を断ることができず、胸元を少し開けると、斉藤先生は聴診器を持つ手を伸ばす。
冷たい聴診器が胸に辺り、ビクッと体を動かすりさ。
斉藤先生の声で、深呼吸をする。
診察が終わる頃には、りさの顔は真っ赤になっていた。
「じゃあ、今日は薬飲んで、家でしっかり休んで。
師長には、俺から言っておくから。」
そういい、斉藤先生は休憩室から出て行った。



