ナースステーションに斉藤先生が入ると、りさを探した。
ちょうどりさは、休憩室から出ていくところだった。
「あ、三池さんっ、これこれ。」
りさの手に置かれたものは体温計。
「えっ?」
「いや、さっき顔が熱そうだったから。」
そういえば、という顔で自分の額を触るりさ。
その場で体温計を脇に差し込む。
ピピピピッ
体温計を脇から抜くと、すぐさま斉藤先生が手に取り確認する。
「あ~、あるねぇ。
ちょっと休憩室、空いてる?」
と休憩室に入り、誰もいないことを確認して、りさの手を引いて休憩室に入る。
その様子を妬ましい顔で見つめるのは、工藤彩。
あの熱烈な斉藤先生のファン。



