当直の時間、ナースステーションでは二名の看護師がカルテを見ていた。
「ねぇ、斉藤先生、すごいイケメンじゃない?」
そう話すのは、看護師4年目の工藤彩。
「そうかなぁ、私はあういうのはタイプじゃないなぁ。
イケメン過ぎて、少し困るかも・・・。
ああいうスタイル抜群で、イケメンな男は、ドラマの世界だけで十分!」
聞いているのは同じく看護師4年目の佐藤麻衣。
「そう?
実加ちゃんと兄妹であってほしいなぁ。」
「どうして?」
工藤の言葉に、佐藤は理解できない顔で尋ねる。
「だって、ここに実加ちゃんが運ばれてきた時の斉藤先生、すごい心配そうで。
あれからすぐに、クリニックからここにわざわざ転職して、それでもって、実加ちゃんの様態には、だれよりも、担当の青木先生よりも心配して。
他の患者と同等って言うわりに、すごい実加ちゃんに親身になってたじゃない。」
「そりゃ、家族なんだもん。当たり前でしょ?」
「それでも、あんな顔されたら、家族以上の何かがあるのかと思っちゃうじゃない?」
「そんなことないわよ。だって、歳だって離れてるし。」
「そうだといいけど……。」
「彩ちゃん、結構本気なんだね……。」
「まぁねっ!」
工藤が意気込んで返事をした直後、ナースコールが鳴り、二人はすぐに仕事についた。



