翌朝、回診の時間がやってきた。
部屋に入ってきたのは青木先生と看護師さん。
「実加ちゃん、またそっちに座ってるんだね。
今日は検査があるから、今から診察するよ。
ベッドにおいで。」
部屋の奥隅で体操座りの実加に話しかける。
実加はまだ寝ているのか、目を覚まさないので、青木先生は実加の体を抱えて上げて、ベッドに横にさせた。
あれ、実加ちゃんの体、熱いな。
青木先生はベッドに実加を寝かせるとすぐに額に手を当てる。
看護師から体温計を受け取り、実加の脇に差し込む。
体温計が鳴るまで聴診をしようと服を開けると、やはり熱があるのか、下着が汗で濡れていた。
看護師が汗を拭き取りながら、青木先生が聴診する。
音が粗い。
発作が起きないといいけど。
今日の検査は中止にするか・・・。
青木先生は看護師に熱を下げるための処置を一通り指示し、実加の左腕に点滴をすると、そのまま実加を寝かせたまま部屋を出て行った。



