ドクター

｢初めての部屋だと、なかなか寝られないよね。
寝付くまでそばにいるから、目をつむって。｣




青木先生は実加に声をかけると、実加の頭を撫ではじめた。
しかし実加はその手を払いのけて、布団を頭まで被って青木先生に背を向けた。
青木先生はそれでも実加の背中をポンポンとリズムよく叩いた。
実加はさっきまで座ってウトウトしていたからか、ベッドに入ってすぐに寝息を立てた。
３０分ほど、青木先生は実加の側にいて、完全に寝付いたことを確認して、部屋を後にした。








それから数時間後の朝５時頃、実加は目を覚ますとベッドにいることに落ち着かず、ベッドから降りて再び奥隅に座り込んだ。
まだ眠いのか、ウトウトしていたが、すぐに寝入ってしまった。