「実加ちゃん、どこにいくんじゃ?
ベッドに戻ろう。」
院長が声をかけるが、実加はさらに突き進もうとする。
背の高い白衣を着た医師が、実加の肩を掴んで止めるが、実加は暴れるように振りほどこうとして激しく動く。
「実加、何が気に入らないんだ?」
斉藤先生が怒り気味に言う。
実加は今朝までの斉藤先生への信頼は嘘のように、数日前に警戒していた態度に戻ってしまったのか、斉藤先生をきつく睨んでいる。
「実加ちゃん、一度ベッドに戻って、少し話さないか?」
院長が言う。実加は肩を激しく上下して興奮した様子で呼吸を荒げている。
院長のいうことは聞くのか、抵抗をやめた。
そして白衣を着た医師に促されながれベッドに座った。



