ん？実さん？
手を握ったまま寝てる。
｢み、、、か？起きたか？｣
｢うん。｣
｢どうだ、体は。｣
｢だいぶ楽になったけど、まだ頭が痛い。｣
｢そうか、発作はひどかったな。
最近、よくあったんじゃないか？｣
｢･･････黙っててごめんなさい。｣
｢青木先生に聞いたよ。
診察室から飛び出したって。｣
｢ごめんなさい。実さんの気持ちを考えずにひどいことをしちゃったから。謝ろうと思って。｣
｢そんなことでわざわざ診察室を飛び出して探してくれたのか？｣
うん、そうだよ。
だって、もう嫌われたくないから。
頷いて返事をした。
｢大丈夫｡
それより実加は喘息があるんだから、走っちゃダメだ｡
ね？これからはそのことを自覚して。｣
｢はい。｣
｢それから、少しの間、喘息の発作が出るまで入院ね。｣
え!?
でも、しょうがないか･･････。
｢今回は肝臓は大丈夫そうだから、部屋から出られないってことはないよ。実加が逃走しなければねっ。
それに、食事も家での摂り方がいいから、病院食もまともだよ。｣
そう、良かった。
