ドクター


「実加ちゃん、こんにちは。
どう?体調は。」





「・・・・・・そんなに悪くないです。」





「実加っ!!!嘘つくな。」





「・・・・・・。」





そんな風に怒らなくても。どうしてさっきから怒ってるの?





「じゃあ、診察するよ。」





青木先生の診察ならなんともない。
検診のときにもいつも青木先生だからね。




私は素直に服を上げて診察を受けた。
すると同時に診察室を実さんが出ていった。
私は驚いて扉を見た。





「はい、吸ってー、吐いてー。」




青木先生の顔を、すごく険しい。
相当悪いのかな。




「はい、終わり。




ところで斉藤先生とはうまくいってるの?」





「う~ん・・・・。
結婚してからの方がギクシャクしてる、というか私が緊張しちゃって・・・・・。」





「どうして?」




「実さんと知り合って、すぐに私は入院して、退院して少ししたら結婚。




付き合ってた期間が短いのかもしれません。
初めて人を好きになったので、よくわかりませんが・・・・・・。」





「そういうことなんだね。




さっき斉藤先生がここを出ていったのは、きっと辛かったんじゃないかな。」





「え?」





「自分じゃなくて、僕が君の診察をしてるから。」





ガタッ




私はそんなこと、考えもしなかった。
なんてことをしたんだろう。
最低だ。




慌てて診察室を出た。