そしていよいよ高校3学期が新天地で始まった。
体調は毎日院長に顔色をチェックされ、何もなければ診察されずに終わり、少しでも院長が不安に思えば、診察をしてときには吸引と、大した病気をすることなく過ごしていたので万全だった。
斉藤先生は忙しいため、なかなか実加を診ることはできなかった。
「じゃあ、実加ちゃん、今日から頑張ってな。
無理は良くないから、何かあればクリニックに電話するんじゃよ。」
実加はあれかじめ、今日の転校のために携帯電話を買ってもらっていた。
朝には、仕事で会えなかった斉藤先生からメールが送られてきていた。
『頑張れよ。』
退院してから、一気に斉藤先生に会うことが減った。
入院中は、職場ということもあり毎日のように会っていたし、斉藤先生が来なくても、廊下を歩く斉藤先生を見ることはできていた。
実加は斉藤先生とゆっくり話したり、どこかへ出かけたいなんて思いながら、クリニックをあとにした。



