実加は相変わらず病室から出ずに過ごす毎日を送っていた。
食事は少ししか体が受け付けない。
そんなせいか、肝機能も喘息もあまり良くはない。
病室ではただ遠くを見つめる。
きっと心の中には、斉藤先生を想う気持ちでいっぱいなのだろうが、担当医の青木先生は知る予知もない。
斉藤先生はあれから実加の病室には訪れなかった。
そのかわり、実加が食事を食べるように、青木先生が頻繁に顔を出した。
小児科以外で、食事のために医師が部屋に訪れることは、ほとんどないが、ここは小児科でないので入院患者は大人が多く、このように食事をとらないのは実加くらいだった。
「実加ちゃん、あまり進むないね。」
箸を持っては置き、持っては置く。
一口が極わずかな量。
まったく進んでいかない。
「食欲の湧くような料理じゃなくて・・・・・・。」
「まぁそれはしょうがないね。
でもこれじゃあ一日もたないし、病気も治らないよ。」
「ここにこうしてるだけだから、お腹も空かないんです。」
「じゃあ、お腹か空くように散歩でもどうかな?」
「いや、ここにいます。」
この対応に医師も看護師も困り果てた。



