きっとこのとき私は逃げるべきだったのだ。しかし、この紅い眼と目を合わせてくれる人と巡り会えた。それが、そのときの私を足止めしていた枷だった。 ただそんなおかしな思考しか持ち合わせていなかったそのときの私でも確かに言えたことは、 とりあえずその右目に食い込んだ指をのけてほしいということだけだった。