16歳の誕生日を間近に控えたある日、わたしはお父さんにとんでもないことを言われた。

「優花、もう16になるのだし婚約を考えてみないか?」



ええっ!?


突然のことで何も言えずにいたらお父さんに何か勘違いをされたらしく、もっともらしくうなずかれた。

「うん、いきなりで心配なのも無理はない。だが安心しなさい、相手にと思っているのは育太くんだよ」

育ちゃん、つまり育太くんは幼馴染みだからと、お父さんなりに考えてくれたんだろうけど、そういう問題じゃない。