「あの、すみません」

青年は、しばしの間、硬直し、澄んだ声に心を持っていかれていたが、

「!?はっ、はひっ!な、何でしょうか!」

と、咄嗟に情けのない声で答えた。

彼女は少しうつむき、

「驚かせてしまったでしょうか・・・」

と、呟く。

「あ、い、いえ・・・。大丈夫。あの・・・。どうかした?」

慌てて両手をヒラヒラさせ、問いかける青年。

対して、彼女は、ほっとしたように、答えた。

「それなら・・・。よかった、です。あの・・・。この近くに、アンティークショップ・・・。あっ、骨董品屋さんってありますか?」