人形劇[七つの魔石と能力少女]

『あれ』とは、まるで、動き出しそうな、人形のことだ。

少女の手は、まっすぐに、人形を指差す。

「あれ・・・って!あの人形ですか!?」

彼女は、驚いて言った。

「あれは・・・」

「いけませんか?非売品だったり・・・?」

少女が言葉を被せるように言うと、彼女は首を振った。

「そういう訳じゃないんですけど、あの人形、とてつもなく高価で、その・・・。お客様が、とても払えるとは・・・。・・・ん?お客様、その腕・・・ハッ!わ、私ったら、何て失礼な!す、すみませんっ!!」

「あ・・・、いえ・・・。慣れていますので。それに、これは、大した怪我じゃないですし。」

少女は、腕に巻かれた包帯に目をやる。