私は恐れでもするように、そろそろと海に向かって足を踏み出した。 私、今、何を想っているんだろう。 そんなことさえわからなくなる。 でも、でも... 陸の顔がうかんでくるんだよ...。 お母さん達がいなくなってから、私を立ち直らせてくれた人。 いつだって、私のそばにいてくれた人。 私を、どんなときも楽しくさせてくれる人。 少し茶色の髪で、長めに伸びた前髪。 笑ったときの目の脇のしわ。 自転車漕ぎ出すときの右肩前のめる事。 ... 頭の中の陸が、私に話しかける。 ...笑いかける。