―――キーンコーンカーンコーン






また憂鬱な授業が始まる。





窓側の一番後ろの席。




中庭が見えるうえに先生からは死角。



こんないい席、他にないだろ。









「おい!!! 北野! 聞いてるのか?」



とか思ってたそがれてたら


英語のジジイに注意された。



――ガタッ


「この問題、英文読んで答えてみろ」


「"I don't know what her mind."
  彼女の心がわからない。」


「そうだ。ぼぅっとしてないで、ちゃんと聞けよ」


「…はい」