まさか…城田ちゃんが、あの話題の歴女だったなんて…

人は見かけによらないとはこういうことだ。


『日光なんて…!もう日本史好きにとっては堪らない名所ですよ~!』


大きな瞳をハートマークにさせている城田ちゃんを前にして、この子…本気だ。と、直感する。


『私、行きたいところいっぱいあるんで、先輩…付き合ってくださいね!』

「えっ?それとこれとは――…っ」

『ん!このチキン南蛮美味しいっ』


私の牽制の言葉なんて聞かずに、昼食を取り始めた彼女を見て、今年の社員旅行は…一層騒がしくなるかもなぁなんて思いつつ、私もさっき落とした卵焼きを口に運ぶ。


「…あ、そう言えば、昨日も泊くんと飲みに行ったんだって?」


昨日の夕方、これから泊くんと飲みに行くことを楽しそうに話していた城田ちゃんを思い出して、昨夜のことを聞いてみる。

あのCM撮影の日、私が強引に2人の飲み会をセッティングした私だったが――…意外にも、それが功を奏したらしい。

杉原さんとの食事中に泊くんから送られてきた、楽しく飲み会やってますのメールを読んだときは、すごくうれしかったのを覚えている。