「ゴメン…。今日はちょっと、」
『何か予定が入ってるんですか?』
「うん、そうなの。ごめんね、飲みに行くのはまた今度…」
顔の前で手を合わせて、ごめんねポーズをする私に、城田ちゃんは明らかに気を落として見せる。
『ええ~?そうなんですかぁ?』
唇を尖らせて、つまらなさそうにする城田ちゃんは、素直に可愛い後輩だと思う。
苦笑いで、再度ごめんねと言っていると、「お疲れー」と泊くんが総務にやってきた。
「え…泊くん?」
『よっ』
総務にいる社員に挨拶をしながらも、私のデスクへとやってきた泊くんは、軽く右手を上げて爽やかな笑顔を見せた。
『お疲れ。』
「お疲れさま。」
わざわざこんなところまで足を運んで、泊くんは一体何の用があるのかと本人に問おうとしたとき、「ああー!」と一際大きな声を出した城田ちゃんによってそれはさえぎられてしまう。

