――みのり Side――


『おはようございます、みのり先輩!』

「お、おはよう…。」


普段の10倍、いや100倍のキラキラ笑顔を浮かべて、元気な挨拶をしてくれた城田ちゃんに、私は引き攣り笑顔の挨拶しか返せなかった。


『どうしたんですか~?先輩、なんか元気ないですよ~?』

「いや、城田ちゃんほどじゃないけど、元気だよ…?」

『ええ~?そんなに私、元気に見えます?えへへっ』


AM8:30

1階フロアのエレベーター待ちをしていた私は、いつもとちょっと感じが違う城田ちゃんを見て思う。


「もしかして、髪染めた?」

『あっ、わかります?昨日、美容院行ったんですよ~!』


城田ちゃんをよく見れば、髪色も明るくなり、化粧のテイストも普段とは違い、甘く仕上がっている。

ふと周りを見れば、特に女性社員の服装やメイクがいつもよりワンランク上になっていることに気づく。


「皆なんだか…気合が入ってる、ね…?」

『まぁ、今日が今日ですからねぇ~』


城田ちゃんが私の言葉に同調したとき、エレベーターが1階に到着した。

――そう、今日はShineがやってくる例の日曜日なのだ。