王道恋愛はじめませんか?





『泊さん、聞いてくださいよ!みのり先輩ってば、せっかく私が先輩の分も日曜の出勤を取り付けて、彼らに会えるようにしたのに、不満そうな顔するんですよ~』

「なっ、別に不満ってわけじゃ…っ!」


泊くんにあっさりと告げ口をする城田ちゃんに焦る私。

不満というより、気まずいというか。

だって……社内見回りなら会うことはないとは思うけど、もし杉原さんに会ってしまったら――…


『あれ?真山って、Shineのファンじゃなかったっけ?』

「えっ?」


すると、突然の泊くんからの問いかけに、ドクリと鼓動が波打った。


『えっ、そうなんですか!?』

『だって、1ヶ月くらい前、Shineのコンサートに行くって言ってたじゃん。』

『あ…!だから先輩、コンサートがどうのって…!』


当の本人である私を差し置いて盛り上がっている2人に、慌てて私は止めに入る。


「ちょっ…ちょっと待って!ファンじゃないから!」

『『えっ、そうなのか(なんですか)?』』

「うっ……」


2人に見つめられて、脳内で杉原さんの顔までチラついてしまった私は、それ以上否定する言葉を口に出せない。

ふぁ、ファンじゃない…わけじゃない、けど――…

結局、どっちつかずな反応を見せる私を、2人は隠れファンだと決めつけたのだった。