王道恋愛はじめませんか?




――「ねぇ、城田ちゃん?どうして私まで休日出勤になってるの?」


昼休み。

業務中であるというのに来週の日曜の件で盛り上がる総務部を抜け出した午前終わり、私は城田ちゃんと社員食堂に来ていた。

雑踏の中、隅っこの4人テーブルで私は自作のお弁当を、城田ちゃんは食堂の生姜焼き定食を食べていた。


『え?どうしてって、日曜だから用務員は休みだし、何かあった時の人員確保のためですよ!』

「いや、そうじゃなくって――…」

『お疲れー、総務のお2人さん。』


質問の意図を汲んでいない答えに反論しようとした瞬間に、横やりが入る。

声の方へ振り向けば、今朝と同じ、泊くんだった。

手には本社のそばにあるコンビニのビニール袋がぶら下がっている。


「お疲れ、泊くん。」

『お疲れ様です!』

『また、あの件のことで話してんの?』


爽やかな笑顔で、スマートに私達と相席し、コンビニで買ってきたのであろうお弁当を広げる泊くん。

その行為は一見図々しく見えるが、本人が当たり前のようにごく自然とやり遂げるため、誰しもそれを咎めることはなかった。

かくゆう、私もその一人だ。


『俺も混ぜてよ。』


広報部で、何本もの広告案件を取り付けてきた泊くんの行動力とコミュニケーション能力には勝てるはずもない。