王道恋愛はじめませんか?




不意に黙り込んでしまった彼女。

さすがにストレートすぎたか、と彼女の顔を覗き込もうとするも、彼女がイヤイヤと俺から顔を逸らし続ける。


「…みのり?」

『っ……ズルいよ、嘉人くん。』


『いつもズルい。』と、いきなり可愛らしい暴言を吐いてくる彼女に、俺は苦笑いを溢してしまう。

いつも彼女が照れるときは必ず、俺のことを“ズルい”と言いながら顔を真っ赤にさせているのだ。

――それはきっと、今も同じなのだろう。


「ズルくたっていいよ。」

『!』

「俺はズルしてでも、みのりのこと、一生離さないと思ってるから。」


きっと今までで一番可愛い表情をしているだろう彼女に、ずっと背を向けられ続けているのがいじらしくなって、そっと彼女の肩を掴んで、俺に向き合わせる。

案の定、振り返ったみのりはこの上ないほどに顔を真っ赤にさせていて。

リンゴっていうより、トマト?――なんて、どっちでもいいか。


「好きだよ。」

『…っ』

「これからも、俺の傍にいてくれる?」


恋愛の先にあるものに、必ず手が届くとは限らない。

けれど、彼女となら――きっと、共に踏み出していけるはずだ。


『…はい。ずっと一緒に、いさせてください。』


そう言って、彼女と過ごすであろうこれからの未来を思い描きながら、瞳を潤わせつつも、コクコクと首を縦に振る彼女に、そっとキスを落とすのだった――。


~~Fin~~