『…うん。全然、気付かなかった…』
俺の本心を聞いて、拍子抜けしたのか、すっかり彼女は俺の腕の中で脱力して、俺にされるがままに左右に揺れている。
そもそも、今日だって、仕事が長引いたから健人の迎えに行って欲しいなんて、ただみのりに会いたいがためのこじ付けで。
例え、あの時仕事がすぐに終わって、自分一人で健人の迎えに行くことができたとしても、俺はみのりに連絡して、健人と3人で過ごしたいと思っていた。
「…みのりが思ってるより、俺…重症かもしれないな。」
『ん?』
「みのりが好きすぎるシンドローム。」
『クスッ…何それ?』
ようやく笑ってくれた彼女を見て、つい嬉しくなった俺は、さっきよりも強く彼女を抱きしめている腕の力を強くしてしまう。
「笑い事じゃないよ?結構本気だから。…今日だって、健人の相手してるみのり見てさ、この子と結婚して子どもができたら、毎日こんな感じで穏やかな時間が過ごせるのかなって想像して、めちゃくちゃ良いなって思ったくらいだし。」
『……』
一世一代の告白をした時から、思っていたことだった。
みのりとの関係は、恋愛だけでは終わらせたくないって。
彼女の傍に…――ずっといたいって。
彼女の笑顔を、一生隣で、見ていたいと――…。

