王道恋愛はじめませんか?




『私は、嘉人くんにあんな顔…させらんないのに。』

「え……」

『嫉妬しちゃうじゃん、――嘉人くんのバカ。』


初めて見る、彼女が拗ねた姿。

いきなり告げられた彼女の本音に驚いたのもあるけど、何より…剥れる彼女がなんだか可愛くて。

健人に、子どもに小さな嫉妬心を向ける彼女がたまらなく愛しくて…

きっと、正直に可愛いと言えば、彼女はきっと拗ねたままの表情で、不謹慎だと言うだろう。

でも――…


「――何それ。すんごく可愛いんだけど。」

『っ、嘉人くん…!?』


言わずにはいられない。

ついでに言うと、こんな可愛い彼女を抱きしめずにはいられない。

感情のままに俺の腕の中に閉じ込めた彼女は、案の定、眉をひそめている。

けれど、顔をリンゴのように真っ赤にさせているものだから、さらに可愛く思えてくる。