「……健人くん、いい子だね。」
健人を寝室に運び終えてリビングに戻った俺に、彼女は開口一番そう言って微笑んだ。
そんな彼女が座っているソファに腰かけ、俺は苦笑いを溢す。
左肩に触れる彼女の肩から感じるぬくもりに、ようやくホッとできる瞬間が生まれた。
『そう?俺の前では随分生意気なんだけど。』
「ふふっ、そうだったね?」
俺が健人の相手をしているときの、健人の俺に対する態度を思い出したのか、彼女はクスクスと楽しそうに笑った。
「まぁでも、それだけ嘉人くんに心開いてるってことだと思うよ。」
そう言って、柔らかな微笑みを浮かべる彼女に見惚れてしまう。
ああ、やっぱり、好きだなぁと思う。
彼女のモノの考え方に、いつも俺はハッとさせられる。
こういう捉え方もあるんだって、こういう風に捉えられるんだって。
そうやって、何度だって彼女を好きと想う瞬間が、今までにも何度もあった。
「…そうだと、いいんだけど。」
『絶対そうだよ。…健人くんが嘉人くんのこと大好きなんだって、傍で見ててすぐに分かるもん。』

