『お姉ちゃん、お姉ちゃん!』


数時間後。

最近もらったばかりの合鍵を使って、嘉人くんのお家にお邪魔した私と健人くんは、夕飯の食材の買い出しのために立ち寄ったスーパーで買った折り紙で遊んでいた。


『見て見て!』


隣で私に自慢げに折り紙で作ったウサギを見せてくれる健人くんは、すっかり私に心を開いてくれているようで安心した。


「わぁ、上手!器用なんだね、健人くん」

『えっへへ~!お姉ちゃんは何作ってるの?』

「んー?私?」


着々と白色の折り紙を折っていき、最後に目と鼻、柄を黒ペンで書いて、完成したものを健人くんに見せた。


「できた!ハムスターだよ~」

『わぁ…っ』

「ハムスターに見えるかな?」


健人くんの目の前で、折ったばかりのハムスターを動かすと、『見える見える!お姉ちゃんすごーい…!』と想像以上に喜んでくれる。


『僕もそれ、作りたい!』

「作りたい?じゃあ、教えてあげる。」

『本当に!?』

「うん。」


新しく白色の折り紙を取り出して、私の指示を聞きながらハムスターを作っていく健人くんを見ながら、昔を思い出す。

小さな頃はよく、おばあちゃんに折り紙の折り方教わってたなぁ…。

あの頃は、私が造りたいものをリクエストすると、なんでもない顔で折り紙を折っていくおばあちゃんが憧れで、毎日毎日折り紙と格闘してたっけ。

そのおかげか、折り紙のレパートリーは人並み以上に多い自信だけはある。