ずっと傍にいる、と言われたときに、心の奥にずっと居座っていた孤独という名の淋しさがスッと抜けていくような感覚に襲われた。


両親が亡くなってからずっと、お祖母ちゃんが親代わりとなって私の傍にいてくれた。

だけど、その間もずっと、私は両親がいないという淋しさを感じていたのかもしれない。

あんなに、お祖母ちゃんの愛を感じていたのに。

誰から見ても、幸せな日常をお祖母ちゃんから与えてもらっていたのに。


「っ……ずるいよ、」

『ん…?』

「そんなこと言われたら、もっと好きになっちゃう…」


熱くなった目頭から、タラリと零れる静かな涙。

哀しいんじゃない。

嬉しすぎるから、幸せを感じたから。


ゆっくりと私の身体を離した嘉人くんは、未だ流し続けている私の大粒の涙を、その大きな右手でそっと拭ってくれた。


『いいよ、なっても。』

「!」

『俺も、みのりのこと大好きだから。むしろ、もっと、もっと俺のことを好きになって。』


そう言って彼が浮かべたのは、あの日と同じ、あの魅惑の微笑みだった。

いつも私を彼の虜にさせるあの微笑みを見る度に、私はこの人がどうしようもなく好きなんだと思わせられる。