『ありがとう。』
そう言って微笑んだ神田さんは、テレビで見たとき以上に格好良かった。
こんなに人から愛される嘉人くんは、やっぱり魅力的な人だ。
『――じゃ、俺はここら辺で帰るわ。』
「えっ」
そう言って、スッと席を立つ神田さんを思わず見上げる。
『今日は、みのりちゃんがどんな人か知りたかっただけだし、よっちゃんのことをどう思ってるのかも分かったしね。』
「……!」
多分きっと、さっきの私の言葉で、勘の良いらしい神田さんは私が嘉人くんのことをどう思ってるのか瞬時に察したらしい。
私を見下げる神田さんの瞳は、どこか少年っぽい。
『あの人も色々つまんないことで悩んでるみたいだけど、』
「?」
『まっ、みのりちゃんなら大丈夫か。』
えっ、何が?
全く意図のつかめない話を口にした神田さんをポカーンと見つめる私を余所に、神田さんは外出する準備を整えていく。
『ここは俺のおごりだから。』
「えっ、」
『あとは2人でごゆっくり♪今日はごめんね、折角の2人の時間を割いてもらって。』
「いっ、いえいえ、そんな…!」
大体今日は、3人で会うって約束だったし、元々は神田さんが私に会いたいと言ってくれなかった今日私は嘉人くんと会えなかったわけだし。
『じゃあね!また、会おうね。』
嵐のように去って行く神田さんを止められずに、一人残ってしまった室内で。
ど、どうしよう…
食べかけの料理が乗っているテーブルをぼんやりと見つめていると、ガチャリと個室のドアが開いた。

