『ふーん、君がよっちゃんの友達?』
「っ…」
よっちゃん?
嘉人くんって、“よっちゃん”って呼ばれてるの?
目をパチパチ、と数秒瞬いた後、今は私が神田さんに質問されてるのだと気づいた私は、緊張のせいか汗ばんでいる手を握り締めながら口を開いた。
「…はい。杉原さんと親しくさせてもらっております、真山みのりです。よろしくお願いします。」
『!』
気をしっかり持たなきゃと、唇を噛みしめて頭を下げた。
頭を上げて、恐る恐る顔を上げると、そこには優し気な眼差しでこちらを見つめる嘉人くんと、小さく目を見開く神田さんの姿が映る。
『…なぁーるほどねぇ~?』
『……だから言っただろ。心配することないって。』
スッと私から距離を開けた神田さんは、嘉人くんと何か分からない会話を交わすと、私と目を合わせて、よくテレビで見ていたアイドルスマイルを見せた。
『もう知ってるだろうけど、神田浩介。こちらこそよろしく!』
そう言って差し出された右手に、私はやっと安堵した。
…なんとか、神田さんに受け入れてもらえたみたい。
「…はい!」
心の底から零れる笑顔で、私は目の前にある右手を握り返したのだった。

