30分ほどかけてやってきたのは、都心の高級街に位置する高級レストラン。
ここも全室個室のプライベート空間が売りのお店らしく、芸能人の間では有名なお店なのだと、ココに向かう道中で嘉人くんに教えてもらった。
『…アイツ、失礼なことばっかすると思うけど、大丈夫?』
「うん。私は大丈夫。」
車の中で何回も嘉人くんにそう聞かれる続けて、最早私は苦笑の返事しか返せない。
レストランのスタッフさんが案内してくれた個室のドアが開いた瞬間、中にいる人影が見えた。
『おっそいよ、2人ともー!』
「!!」
ごゆっくり、と言ってスタッフさんが個室のドアを閉め終わる寸前で、神田さんの声が響き渡った。
『…浩介が早いだけだ。まだ待ち合わせ時間の15分前じゃないか。』
『仕方ないっしょ?これでも、今日の食事会、ちょー楽しみにしてたんだから!』
そう高らかに声をあげた神田さんは席に立つと、控えめに嘉人くんの後ろの方に立っていた私の方に近づいてくるなり、グッと顔を近づけてくる。
「!?」
『おいっ、浩介…!』
今までテレビ越しに見ていた綺麗な顔が至近距離にあるせいか、私の身体は瞬時に石のように固くなってしまった。
何かを疑うかのような瞳で見つめられて、何も言葉が出てこない私に気を遣ってか、嘉人くんが神田さんの身体を後ろへ引っ張ってくれるけど、私と神田さんの距離は変わらない。

