「早苗さんは何らかのショックにより脳が整理できなくなり神経が麻痺してしまったようです。」


「えっ………」


早苗は脳震盪とか脳卒中みたいな病気かと思っていた。
まさかショック症状だったなんて……。


「脳がいろいろな情報を整理する時間は皆さんが寝ている間です。まあ、脳は１日覚えられる機能があるのですが。そのかわり脳が覚えられる量には限界があります。だから睡眠時間が全くないなんて状況になると今回の早苗さんの様に脳の情報量がMAXを越えてしまい機能がほぼ停止状態に陥るわけです。」


「えっと……？要するに今回早苗が倒れてしまった訳は早苗が睡眠をとっていなくて、脳に入る情報が多くなりすぎて、脳が情報を整理できなくなり、脳の機能がほぼ停止状態になってしまったということ……？」


「流石お母様。それで合っていますよ。」


一体早苗は何をしていたの――？


先生と私がいる部屋は担架が運ばれる音が虚しく響いた――。