私が呼んだ救急車はすぐに来た。
私と早苗を乗せている救急車は規則正しい音を奏でている。

「………早苗」

名前を呼んでみても返事はなくなぜか………虚しい。

早苗はどこで知ってしまったのだろう。私が漏らしたのは誰もいないのに―――。

でも救急車に乗る前に早苗のPCの履歴には【夢幻の館 行き方】【失望の塔 出る条件】とか都市伝説のことを調べていた。

私は早苗が都市伝説とかを信じていいと思う人だった。
ただ早苗を育てたのは御母様だったから固い頭を持ってしまったのだろうか。

「………はぁ」

無意識のうちにでる溜め息は行き場もなくただ空にのぼった……。