ざわざわとした教室。そこで一人で座っていた。

「早苗ッ!」

いきなり飛び付いてきた人物は私の親友。

「キャッ!も~結愛ぁ止めてよ~」

西尾結愛(にしおゆいな)
私の親友ちゃん
くりくりの目にふわっとしているツインテール。制服の赤いリボンと一緒に揺れる髪はなんともお人形を思い浮かばされる。前は極度の人見知りだったけど今ではその風すら見せない。

結愛はオカルト系統の話が大好きだ。オカルト系統の話を聞くと今まで見せた笑顔がぱぁっと明るくなる。
そんな結愛はやっぱり今日も話始める訳で。
「早苗ちゃんはお化けって信じる?」
結愛はこう唐突に切り出した。
信じられない
それが正直な答え
でもその言葉は言ってはならない
相手を真正面から否定するのは良くない。結愛が離れてしまうから……。
だから。
「うーん………あんまり信じない、かな?」
そう答えた。
結愛は一瞬だけ顔を曇らせたがまた。
「そうなの?まぁ、いっか。ねぇねぇ早苗ちゃんはこんな話信じる?」
結愛は私の答えがどうでも話すつもりだったらしい。
結愛はある都市伝説を話してくれた…

それはこんな話

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

ある一人の科学者には沢山の家族がいた。お祖父さんお祖母さん妻に子供たち。実験仲間もいた。
科学者は毎日規則正しい生活をしている。憂鬱な日でもハイテンションの日でもおんなじスケジュール。
そのスケジュールを続けていたある日。科学者は妻の涙を見てしまった。
『どうしたのか』と声をかけても返事は無く、かわりに妻の嗚咽が返ってきた。