「精霊を捕まえるよっ!」

湯梅は早速捕まえ始めた。確かこの夢幻の精霊は願いを叶えてくれるっけ。じゃあ速く捕まえなければ……。

行くぞ。やってやる。徹底的に。
とは言ったけど、精霊は思ったよりもすばしっこい!捕まえらんないよ。あっ!
「はぁっ!今だぁっ!」
あとちょっと!

倒れた衝撃があったけど確かに私の右手には何かの感触があった。見てみると

「やったぁ!」

確かに精霊がいた。ちょっと目をまわしているけど。他の皆も捕まえたみたいだ。


「精霊さん、私の願いを聞いてください。私は今の友達とずっと一緒にいたいです。」
[わかった。叶えてあげるね。]
すぅっ―――
願いを叶えてもらったら元の世界に戻れるらしい。

「精霊さん、私の願いを聞いてください。由美は、ピンクベアのお洋服が欲しいです!」
[りょーかい!]

すぅっ―――
精霊にも性格はあるっぽい。


「精霊さん、私の願いを聞いてください。新しい空手着をください。」
[あら、わかったわ。]

すぅっ―――

「精霊さん、私の願いを聞いてください。おばあちゃんに会わせてください。」
「湯梅―――」
湯梅は小さいときにおばあちゃんを亡くしている。だからかなぁ――
[わかった。]

すぅっ―――

「精霊さん、私の願いを聞いてください。家族を幸せにしてください。」
[勿論やらせて]

すぅっ―――

[最後の貴女は?]