そのあと何回も扉を開けては閉め、開けては閉めを繰り返した。
変な部屋が沢山あった。扇が大量に落ちている部屋、蟻の行列があるだけの部屋、習字道具がある部屋……。全部は見れないねって話して計30部屋くらい見た。なんか探検とか修学旅行とかそんな感じのドキドキがあって楽しかった。

「―――――ん?あっ、あれ!精霊の粉じゃないの!?」

湯梅が叫んで指を指した方向には確かにキラキラとした何かが漂っていた。多分これが精霊の粉だと思う―――

「行くよっ!」

由紀の号令と共に私たちはキラキラとした粉を走ってたどった。今までのドキドキよりももっと強いドキドキが私を襲う。ヤバイっ!楽しい!

「――はぁっ、はぁっ」

長い長い距離をたどった先には今までの扉とは雰囲気が違う扉があった。白樺の軽やかな雰囲気に金の縁。なんだか妖精とか精霊とかが思い浮かぶような……。

「開けるよ」

カチャッ

中には幻想的な景色が広がっていた。黄緑のミニドレスを見にまとった精霊たちがふわふわと飛ぶ。精霊がとぶと周りの粉がふわっとまう。中にある家具は精霊たちの姿に合わせてあって。ドールハウスみたいな。