「もしさ、失敗して失望の塔に行っちゃったらどうする?」

確かにそうだ。もしも失敗したら1人生け贄を差し出さなくてはならなくなる。どっちにしろ皆死んでしまうのだが。

「そしたら、私が生け贄に……なる。」

「由紀!?嘘……でしょ?由美1人になっちゃう…よ!?嫌だよ!」

「由美……あのね必ず1人が生け贄になるんなら私がなりたいの。人になってもらったら未練がましいでしょ?だから……私がなる。」

「……うぅ…由紀ぃ…」

由紀は本当に頼りになる。湯梅が由紀姉と呼ぶのは納得できる。私なんか………。

「由美?泣き止も。もうすぐ始めるからさ。」

「……うん。」

もうすぐ儀式だ。これが死に繋がるか生に繋がるかはわからない。でもやってやる。




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