「あと………4分か、な」

緊張して口が回らない。どうしてもたどたどしくなってしまう。だって目の前にあるのは死か生か。どちらかのみ。死をとったら私は無になる。

「由美……怖くなってきた」
「由美ちゃん……落ち着いて?大丈夫!さーちゃんが言ったことを繰り返せば願いが叶うんだから。」

「ねぇ、皆の願いってなに?」

「ゆ、由美はピンクベアの洋服を全て貰うこと!」
「私?空手着、綺麗なの欲しいな」
「うちは全国温泉祭りに行きたいなぁ……。毎回当たらないんだもん」
「ずっと皆と一緒にいたいな……」

「じゃあ、さーちゃんは?」

「私は……今、言えない」

だって、その願いを言ったら「薄情者」とか言われちゃうでしょ?なら言わない方が断然まし。

「さーちゃんは言えないんだね」

「うん。ごめんね……」

「皆こういう願いがあったんだ。まあ、早苗は言えなかったけどさ。なんか未練晴れました!てきな。」

そうだよね。私も未練は晴れた気がする。願い言うなんてそうそう無いからね。ちょっと良い時間だった気がする。




あと2分