「ありがとーございましたー」

塾の帰りはいつも1人。
もう何年間も通ってきたから昔のように怖がりはしない。それどころか最高の帰り道だ。
塾から家にはバスで帰る。いつもの時間のバスは少し空いていた。
普段座れない1人席が空いていたからそこに座ることにした。

時間ができると考えることは今までの記憶。
思い出せること、思い出せないこと、あとちょっとのこと、あやふやなこと。
沢山の体験をしてきたから、前の記憶は思い出せない。
それはそれで喜ばしいと思う。

菜古と湯梅に会った時のことは覚えている。
私がいじめられてた時だっけ。