「莉音、一緒にトイレ行こう」


一限が終わった中休み。ノートを片付けていると、姫梨ちゃんに声を掛けられた。


「へっ?」

姫梨ちゃんから誘うのなんて、珍しいなぁ。そう思ってしまい、思わず目を丸くした。



「おい、莉音お前いつになったらこの女に歯向かうんだよ?」


あのバカは、自分勝手な事言ってるけど、やっぱり歯向うって……できないよ。



磯野さんには興味があるけど、あたしはまず自分の身の安全が一番大事だもん……。



誰かに合わせて、誰かにくっついて適当に笑ってるのが楽だから……。




「うん!! 超トイレ行きたかったんだぁ~」




嫌な予感がしたけどあたしは笑顔を作って、姫梨ちゃんと一緒にトイレに向かった。